SEは理系より文系が向いている理由【文系学部卒エンジニアが解説】

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こんな人に読んでほしい

  • 文系大学卒業予定だけど営業は嫌、もしくはエンジニアに興味がある人
  • 文系エンジニアで、理系エンジニアにコンプレックスを感じる人
  • 文系大学卒業者がエンジニアになって本当にやっていけるのか気になる人

はじめに

事務職からSEにキャリアチェンジしたkosumiです。
エンジニアになった背景についてはこちらで体験談をガッツリ書いています。

つい先日、会社で入社6年目の先輩とじっくり話す機会がありました。
そこで実は同じ大学の同じ学部だったことが判明し、ちょっと盛り上がりました。
(ちなみに二人とも法学部卒です)

そこでふと思ったのが、「SEって理系じゃなくても案外やっていけるんだな」ということです。

筆者は実際にSEとして三年間働いてきて、「文系だから不利」ということはあまり感じませんでした。
むしろ、「文系的な強みが活きる場面の方が多い」とさえ感じています。

本記事では、文系学部出身の私がなぜ「SEは理系より文系が向いている」と考えるのか、その理由を解説します。
文系の方で「営業やりたくない」「理系エンジニアに劣ってるんじゃないか」とお悩みの方の参考になれば幸いです。

結論
  • 文系は理系とくらべて、専門スキルでは不利だが対人スキルで有利
  • SEにとって、コードの記述よりも顧客やエンジニア同士の対人調整の方が重要
  • 文系エンジニアが対人調整、専門的な部分は理系エンジニアという役割分担で共存可能

文系と理系それぞれの強みと弱み

kosumi
kosumi

理系、文系の分け方は全ての人に当てはまるものではありません。
後述の内容は、あくまで「傾向」と考えてください。

理系の強み
  • 大学までの基礎知識がある
    IT・電気・数学・物理といった分野の知識がベースにあるため、特にインフラ・ハード系や高度なアルゴリズムが必要な開発現場では戦力になりやすい。
    ネットワークの仕組みや電圧・電流などの計算、統計処理や数理最適化などの知識がそのまま役立つこともある。
  • 論理的思考が身についている
    理系の研究室や課題では、原因を切り分け、仮説を立て、データを集めて検証するというプロセスが鍛えられる。
    バグの原因調査や、性能改善案の提案など、問題解決の場面で強い。
  • 技術に抵抗がない
    プログラミングや新しい技術への心理的ハードルが低い。むしろ「楽しい」と感じる人も多い。
    趣味でPCや電子工作、ゲームMOD作成などに没頭していたオタク気質の人も多く、その探究心が武器になる。
理系の弱み
  • コミュニケーションが苦手な人もいる
    研究や実験に没頭する時間が長く、他人との調整や発表が少ない場合も。
    「技術的には完璧だけど、説明がわかりにくい」「お客様対応が苦手」という理系エンジニアも一定数いる。
  • 完璧主義に陥りやすい
    技術的な正しさや美しさを追求しすぎて、納期やコスト感覚を軽視してしまうこともある。
    現場では「動くものを早く出す」ことが優先される場面もあるので、現実との折り合いが必要。
文系の強み
  • コミュニケーション力
    ディスカッション・プレゼン・文章作成など、人に伝える経験が豊富で、お客様やチーム内での調整力に優れる。
    ユーザーの立場に立って物事を考える力がある。
  • 社会人基礎力
    インターン・バイト・就活などで、名刺交換・メールの書き方・敬語・立ち振る舞いを鍛えられている人が多い。
    お客様と直接会う場で、安心感を与えやすい。
  • 全体を見渡す視点
    技術だけに目がいかず、納期・予算・ビジネスの目的なども考慮した判断がしやすい。
    文系学部で法律・経済・心理学などを学んだ経験も、意外と役立つ場面がある。
文系の弱み
  • 技術的な基礎知識がない
    大学で学んだことが直接は役立たないので、最初の半年〜1年は用語や原理の理解に苦労する人が多い。
    プログラミングやネットワークの勉強は入社後にキャッチアップする必要がある。
  • 論理的なエラー解決に慣れていない
    エラーが出たとき、根本原因を調べる・検証するプロセスが最初は苦手なことが多い。
    感覚で動いてしまうと迷子になりがちなので、地道な訓練が必要。

上記以外だと、実は基本教科の中だと英語が重要。
コードの読み書きはアルファベットですし、調べるとき海外の情報を漁ることも多いです。
エンジニアを目指すなら英語への苦手意識は克服しておくのがベター。

SEに文系が向いている理由

「プログラマー」ではなく、「システムエンジニア」であるということ

SE(システムエンジニア)は、プログラムを書く人(プログラマー)とは役割が少し違います。
プログラマーが「仕様書通りに作る職人」だとすると、SEは「何を作るべきか決める、伝える、調整する」仕事です。

例えば以下のような内容です。

  • お客様の要望を聞き出し、仕様に落とし込む
  • お客様の言っていることが不明瞭な場合に、質問して本質を探る
  • チームメンバーに作業を指示したり、進捗を確認する
  • 問題が起きたときにお客様や他チームに説明し、折り合いをつける

こういった場面では、技術知識以上に 「相手の意図をくみ取る力」「わかりやすく説明する力」 が求められます。
これは、日頃から人と話したり、文章を書いたり、相手に合わせて伝え方を工夫してきた文系の強みが活きる部分です。

実務で使う技術は後から学べばいい

理系の強みである技術知識は、実務や勉強で後からある程度は身につけられます。
実際に私も未経験で入社して三年、現場と自己学習で知識を補ってきました。

逆に、技術のある人が後から対人スキルを身に付けるケースは少ないです。
なぜなら、技術系の人はその道究めるキャリアを歩むからです。

だからこそ、対人スキルがあって技術もある人は現場で非常に重宝されます。
そう考えると「文系出身のエンジニア」というキャリアは大きな武器になります。

文系出身から見た、現場で活きるスキルの例

文系優位の実例

現地でのシステム導入時はとくにお客さんと話す、あるいは説明する機会が多いです。
複数のシステムが関わっていると他の作業者さんと連携して作業することもあります。
こういうケースでは文系のコミュニケーション力が発揮されます。

実際に得意先の現場でよく一緒になる作業員の方が、「文系出身の担当者の方がやりやすい(意訳)」と言っているのを何度か耳にしました。
現場ではユーザーへのソフトの操作説明も何度かありましたので、話すのが苦手だと苦労するかもしれません。(ちなみに私はソフトの仕様についての理解不足で苦労しました)

理系優位の実例

筆者はハード系の会社に入社したので、電気関係の話は頻繁に出てきました。
電流(A)×電圧(V)=電力(W)はもちろん、電気抵抗の計算くらいは覚えておいた方が良かったです。
このあたりは理系で学習していれば、より専門的な話にもついていけたかな、という印象でした。

ほかには、エラーが発生したときに論理的思考ができるかどうかによって対応速度に差が出ます。
エラー発生カ所の特定や、動作テストの項目作成でエラーの予測を立てるときにもかかわってきます。

論理的思考は理系の方がやや有利かと思いますが、苦手な方でも訓練次第で身に付けることができますので、この点については頑張り次第です。

その他

やはり文系出身でキャリアチェンジしてまだ三年ということもあり、知識不足に悩まされることはよくありました。
ただ、知識は日々の勉強で補っていくものですし、自分の目指すキャリアによっても学ぶ内容は異なります。

筆者は専門知識の少なさとエンジニア経験の浅さが課題です。
ですが、強みである対人スキルや資料作成スキルは前職で培ったものです。
エンジニアはそういった部分に関する教育は正直薄いです。
なので、今後も自身の強みを生かしつつ経験を積んでいけば、エンジニアとして十分やっていけると考えています。

まとめ

  • 文系出身でもエンジニアとして十分やっていける
  • 理系の強みは技術的な基礎知識・論理的思考・探究心
  • 文系の強みはコミュニケーション力・全体視点・対人調整力
  • SEは「何を作るか決める・伝える・調整する」仕事なので、文系の強みが活きやすい
  • 技術知識は後から学べる。逆に対人スキルはなかなか鍛えにくい

筆者自身も、文系・未経験からエンジニアに転職して3年間、「文系で良かったな」と思う場面がたくさんありました。
最初は技術面で苦労するかもしれませんが、それを補って余りある強みが文系にはあります。

営業が嫌だからエンジニアになりたい、理系エンジニアにコンプレックスがあるけど、頑張りたい。
そんなあなたはSEという選択肢を検討してみてはいかがでしょう。

以上です。
参考になれば嬉しいです。

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