映画『8番出口』ネタバレ無し感想を一言で
個人的にはけっこう面白かった。意味深だったり、考える余地があったりする作品が好きな人は見て損なし。

映画は好きだけど、ふだんは無料配信があったら見る程度です。
ですがお金払ってみる価値はあったかな、と。
良かった点
全体として、作品通しての雰囲気とか、物語のまとめ方とか、そういう「映画の完成度」としてはとても高かったと感じた。
あの設定から良く一本の映画として仕上げたなー、と。
細かい要素の話をしていく。
冒頭、八番出口に迷い込むまでは低予算映画かなー、という印象だった。
異変があったのかどうかぎりぎりまで伏せたり、迷う男が気付いていない異変を見せたりと、ホラー要素も相まってカメラワークはとても良かった。
中盤に出会った明らかに「異変にしか見えない」少年が「異変ではなかった」ところでもう一段引き込まれる。
迷宮のルールを主人公も観客も理解したところで上手く変化を付けてきて、同じ通路ばかりの単調な画面になりがちな作品でも飽きさせない展開になっている。
あとはやっぱりラストシーン。物語の鉄板である冒頭からの主人公の変化が非常に明確に描かれていて良かった。
たとえば少年が迷う男の息子なのか、作中で明言されてはいない。けれど、こういう印象に残るシーンがわかりやすく描写することで「よくわからなかった」という人は減ると思う。
すくなくとも、「異変を無視する男が、八番出口に囚われて、異変を無視しなくなった話」という大筋の理解ができるはず。
全部明言しない場合は「投げっぱなし」とか「手抜き」とか言われて終わりそうだけど、その辺りのバランス感覚が抜群に良い塩梅だったと思う。
と、ざっとこんなイメージだが、気になった点もいくつかある。
想像に任せる部分のようだけどしっくりくる解釈が思いつかなかったのでまとめておく。
こうじゃないか等あればぜひ教えてほしい。
気になる点:観た人は感想教えて
- 迷う男の喘息が後半なくなっていること
→別人になった?
→変化を明確にするための単なる演出? - 八番出口が地上ではなく駅に続いていたこと
→まだ解放されていない?
→異変(冒頭のシーン)に気付いたから引き返している? - 洪水のシーンでの台詞「少年を助ければいつか少年が自分を助けてくれる」の意味?
→少年が迷う男を道中助けたこと? - ラストシーンで冒頭と「全く同じ」状況だったこと
→予算の都合?
→冒頭の時点で既に迷宮へと捕らわれていた?
→八番出口の効果?(異変を見つけたところまで戻った?)
以上です。
良い作品に触れると人生が豊かになりますね。
ふだんはエンジニア転職体験談とか書いてますのでよろしければそちらもどうぞ。


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